観石万歩   三角点の豆知識
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三角点とは
 三角点(さんかくてん)とは、三角測量に用いる際に経度・緯度・標高の基準になる点のことであり、測量法で定められた永久標識である。
 地図を作る上での骨格となる場所で、詳細な位置が求められた基準点である。
 山頂に設置された三角点は、ほとんどが四角い柱石だ。にもかかわらず三角点というのは三角測量をするためである。
同様の目的で、標高(高さ)の基準となる水準点も別に設置されている。

 三角点の構造
 三角点は、標石、盤石、保護石、標示杭で構成される。
○標石
 材質は、通常小豆島産の花崗岩(御影石)で、一等から四等の等級により大きさが異なる。柱石上部中央には十字の刻みがある。この十字の位置が三角点の位置である。
○盤石
 もしものとき、標石を復元できるように設置したもので、標石と中心線が一致してる。材質は標石と同じ花崗岩である。
○保護石
 4個が基本のようだが、2個や3個のものもある。昔に設置された三角点には保護石がないものも多い。
○標示杭
 白ペンキが塗られた一辺6pの角材(桧)で、「 等三角点」、「国土地理院」、「基本測量」、「大切にしましょう三角点」と黒字で書かれている。一辺5.5pのプラスチック製のものもある。
 標石の大きさ
標石と盤石の大きさ・重さ
  一等 二等 三等 四等
 標石頂部の一辺 (cm) 18 15 15 12
 標石頂部の高さ (cm) 21 18 18 15
 標石の高さ  (cm) 82 79 79 63
 標石の重さ  (kg) 90 65 65 40
 盤石の一辺  (cm) 41 36 36 30
 盤石の高さ  (cm) 12 11 11
 盤石の重さ  (kg) 45 30 30 20
下部盤石(一等のみ)の大きさ 9×9×4.5cm
 1883年(明治16年)陸軍参謀本部陸地測量部が三角測量の基準点標石の材質として選んだのが、豊太閤秀吉の大坂城の石垣で有名な小豆島の花崗岩だった。以来100年以上、小豆島の花崗岩が使われている。
 設置間隔と設置数
  設置数 設置間隔 面積
一等三角点(本点)    412個 約45q 1500ku
一等三角点(補点)    560個 約25q  500ku
二等三角点  5,060個 約8〜10q   55ku
三等三角点 32,325個 約3〜4q    8ku
四等三角点 70,095個 約1.5〜2q    2ku
 標石の刻印文字
 一等、二等、三等の三角点標石は、南面に「○等 三角点」と刻印されているだけで、他の三面は無地である。四等は、他の三面にも、「基本」「国地院」「6桁の標石番号」が刻印されている。
なお、戦後に更新された標石は、四等以外でも「基本」と「国地院」が刻印されているものもある。
――
南面
○等 三角点
東面
「基本測量」の略
西面
「国土地理院」の略
北面(四等のみ)
標識番号
 書体も設置された時代によって異なる。一等三角点から三等三角点は、主に明治時代に設置されたものが多く、「角」や「点」に書体は旧漢字のものが残っている。一方四等三角点など、戦後に設置されたり、更新された三角点の書体は新漢字が使用され、等級の文字も左から右となっている。
    
 二等三角点 七宝山(高代寺山)    二等三角点 羽田(羽田空港)
 1901年(明治34年)8月          2006年(平成18年)7月
 近年の三角点
軽量標識(金属標)  真ちゅう製やステンレス製があり、コンクリート柱に打ち込まれている。
          
特製マンホール内設置
 日本地図が描かれた特製マンホール。「三角点」と「国土地理院」と表示されている。
 このマンホールを開けるには、専用のバールがいる。

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